夫勇進

近況報告

夫 勇進 工学博士

 現在私は理化学研究所にて、新しい半導体ナノ微粒子やコロイド量子ドット材料に関する研究を進めています。量子ドット材料はナノレベルでのサイズ効果により発現する様々な特異的な光電子物性により、超高感度センサーや次世代レーザー、光触媒など多くの応用が期待されています。しかし従来の有機分子や金属錯体とは異なり、サイズや組成に分布があり表面欠陥も多く、精密制御が求められています。我々は、新しい分子シーディング法により単一組成・単一サイズを有するコロイド半導体量子ドットの合成に取り組んでいます。
 「私がかなたを見渡せたのだとしたら、それはひとえに巨人の肩の上に乗っていたからです」という言葉がありますが、我々はまさに諸先輩方が築き上げてきた土台の上に立っているのだと思います。自身がしっかりと活躍すると同時に、次世代の土台になるべく頑張ってまいります。最後に、奨学生とし改めて感謝および貴振興会のますますのご発展を祈念申し上げます。

研究室メンバー(後列右が筆者)

プロフィール

1973年生 45歳
2002年 早稲田大学 博士(工学)
現職 理化学研究所 創発物性科学研究センター 創発超分子材料研究チーム チームリーダー

「科学と未来」第19号に掲載

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